理科「電流」分野の苦手をなくそう!並列回路を分かりやすく解説

  • 2020年11月24日
  • 2020年11月24日
  • 理科

今回は並列回路を解説していく。直列回路を理解しておくことが並列回路を学ぶ上では重要であるため、まだの方は前回記事をご覧いただきたい。

 

理科「電流」分野の苦手をなくそう!直列回路を分かりやすく解説

 

並列回路の考え方(豆電球が並列)

前回同様に以下の基本回路(電圧Vの乾電池1個と豆電球1個をつないだ回路)に流れる電流を1として考えていく。

 

並列回路は、直列回路が複数個合わさった回路と考えられる。よって、直列回路が理解できていると分かりやすい。並列回路の問題をどのように解いていくか?については、直列回路の時と同様に「電圧」を考えていく。

前回の記事のまとめに書いたように、電気回路にかかっている電圧を視覚化することが第一にすべきことになる。以下の並列回路を使って視覚化してみよう。

 

まず、並列回路にかかっている電圧を視覚化するのにポイントになるのは、導線の色分けの方法だ。この色分けができれば、並列回路の問題の9割程度は解けたようなものだ。

物理学では電圧とは「電位」と言い換えられる。電流を水路を流れる水流に例えると、高い方から低い方に電流が流れていくが、高さの差がエネルギーの大きさとなる。水路の高さを表しているのが、回路図における導線となる。そして、ひとつながりの導線はどこも同じ高さの水路であることを意味している。回路にかかっている電圧を視覚化できれば、あとは直列回路と同じ考え方になる。前回の記事で書いたように、豆電球にかかっている電圧が分かれば、電流の大きさが分かる。

視覚化するとどちらの豆電球にも基本回路と同様に電圧Vがかかっていることが分かる。つまり、どちらの豆電球にも電流1が流れている。この電流は合流し、乾電池には大きさ2の電流が流れることになる。

 

 

以下の並列回路についても同様に考えていく。

回路にかかっている電圧を視覚化すると次のようになる。

上のルートでは、電圧Vが2つの豆電球にかかっているので、図を書き換えると次のようになる。

何度も繰り返すが、豆電球に流れる電流は豆電球にかかっている電圧で決まるので上のルートに流れる電流は1/2、下のルートを流れる電流は1となる。よって、乾電池を流れる電流は合計で3/2となる。

 

並列回路の考え方(乾電池が並列)

次に乾電池を並列につないだ回路を考えていく。回路にかかっている電圧を視覚化してみると以下のようになる。

赤線と青線の間にある乾電池の数は1個ずつ並列。したがって、下図のように豆電球にはそれぞれ電圧Vがかかり、流れる電流は1となる。豆電球を流れた電流は合流し大きさ2の電流になり、乾電池も均等に1個ずつ並列でつないであることから、それぞれに1の大きさの電流が流れる。

 

乾電池の並列つなぎでの注意点

乾電池を並列につないだ回路は、電流の分野を習い始めた時に見かけることが多い。上のルートに1個電池があれば、下のルートにも1個。上のルートに2個電池があれば、下のルートにも2個といった具合だ。しかし、以下のように電池を並列につないだ問題を見たことがあるだろうか?

この回路では、上のルートと下のルートの電圧が異なっている。これまでは分かりやすくするために乾電池1個の電圧をVとしてきたが、私たちが日常使っている乾電池は1個あたり1.5Vの電圧があるため、今回はこの具体的な数値を使って求めていく。

上のルートに乾電池1個、下のルートに乾電池1個を並列につないだ回路の電圧は、これまで見てきたように乾電池1個分の電圧である1.5Vとなる。この1.5Vという数値は上下のルートの電圧を足して2で割った平均値だろうか?仮にそのように考えると、上図の電圧は上のルートで3V、下のルートで1.5Vなので平均して2.25Vとなるが、実際にはそうではない。ここでは物理の授業で習うキルヒホッフの法則を使って求めていくことになる。キルヒホッフの法則とは、「ひとまわりの閉じた経路において、起電力の和=電圧降下の和」というものだが、これを使って数値を求めると、この回路の電圧は2Vとなる(電池の内部抵抗も考える必要があるため、詳しくは説明しない)。

このように異なった電圧の電池を並列につなぐと、一部の電流が逆流することになり、時には電池が破裂することがあるらしい。仮に同じ個数の電池を並列につないだとしても、電池の劣化でそれぞれの電池の電圧が異なっている可能性も考えられ危険であるため、一般的に推奨されていない。参考書等で頻用される電池を並列につなぐ方法は避けるほうが良く、電池を長持ちさせたいのなら、単三電池を単一電池にするなど、容量の大きい電池を使うことを検討すべきだ。

ちなみにこの問題は物理の猛者が集まる「物理チャレンジ2010 第1チャレンジ理論問題」の一つで、出題されたすべての問題の中で最も正答率が低い(10.6%)問題だったようだ。単純な回路だが、この正答率。ということは中学受験において、異なる個数の電池を並列につなぐような問題は、恐らく出題されないだろう。

 

まとめ

  •  並列回路においても、直列回路と同様に電圧がどのようにかかっているかを考えていく
  •  そのためには、回路を色分けなどで視覚化する
  •  視覚化できれば、その後の考え方は直列回路と同じ
  •  乾電池を並列につなぐ方法は、本来不適切な使い方である

 

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